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Story 01

専攻は、物理化学。化合物をつくってその挙動を観察するという
まさに“リケジョ”を地でいくような研究をしていたA.M。
一時は薬品系メーカーも志望した彼女が、ITに目覚めた理由とは?
入社以来、システム設計、データ分析などの現場で着実に経験を積み、現在はグループマネージャーを務めるA.Mの仕事哲学に迫る。

A.M
理工学部 化学科
コーポレートソリューション部 
グループマネージャー
1997年入社

「結果がすぐ出る」プログラミングの魅力

「物理化学の実験は楽しかったのですが、薬品を扱う研究は、ミリグラム単位で間違えるとまったく違うものができあがってしまうような世界。しかも成果が出るまでに何年、何十年とかかることも珍しくなく、仕事として取り組むには自分の性格に合っていないと思ったんです」
プログラミングは、大学の授業で基礎を学んでいたA.M。自分で手を動かしてコードを打ち、正しければ動く。だめならすぐ別の方法でトライできる。そうした点と、自らの論理的思考の相性が良かったと話し、システム会社へ就活し、縁あって東京ガスiネットへ入社した。

システム開発のいろはを学ぶ

まず配属されたのは、ユーザからの要望に応じて、中小規模のシステム開発を手がける部署。入社直後にちょうど立ち上がった案件があり、その開発過程のすべてに関われたことは大きな経験になったという。
「十数拠点からアクセスして、営業の進捗管理などをするためのシステムでした。要件定義から携わり、設計では自らソースコードもゴリゴリ書いて。テストが済んだら、端末へのインストール作業、ユーザさんの教育まで、トータルで1年ほど。システム開発の流れをひと通り体験できたのはラッキーでした」
その後も部署の異動はありつつも、約6年間にわたりシステム開発に携わったA.M。ユーザへの提案活動から行い、小規模な開発であれば一貫してひとりでプロジェクトを担当することもあったという。そのまま開発畑を突き進むのかと思いきや2003年、自ら異動希望を申し出る。
「個人的な話なのですが、2004年に結婚しました。結婚で自分のライフスタイルが変化する前に、仕事でどこまでがんばれるのか、自分のリミットを知っておきたくて。あえて業務レベル、働き方ともにハードな部署への異動希望を出したんです。そこで配属されたのが当時のデータ分析システムを構築する部署でした。それまでのシステム開発とはまったく別の業務です」

データサイエンスのおもしろさに没頭

東京ガスの事業活動の中から生み出される、膨大なデータ。たとえば、ガス販売量の増減は、気候の影響によるものなのか、マーケットの人口推移によるものなのか。要因別にその変化を読み取る、データ分析システムの構築が主な業務だ。
「まず、集まる数字が正しい数字なのか。さらにはそれが使える数字なのか。そこに気温の影響をどう反映させるのか。そういう作業が、純粋にすごくおもしろかったですね。それまでのシステム開発で担当していた、『入力画面の配置は、このほうがわかりやすい』という話とはまったく別の業務。もちろん開発も好きだったんですけど、基本的にどこに行っても、何をやっても楽しさを見いだせる性格なんです」
またこの部署では、東京ガス本社の社員と同じチームとして働いたことも、自身にとって大きな刺激になったと話す。
「システム開発の時は、東京ガスはあくまでクライアントという存在でしたが、データ分析業務では、いわば“同士”。経験も知識も豊富な方たちから直接データ分析の基礎を教えてもらえたので、夢中でした。ちょっと残業が続いても気になりませんでしたね。本当に仕事が楽しかった」

プロジェクトリーダーとしての責務

データ分析で大きな案件にひと区切りがついた2007年、営業支援システムを担当する部署へ異動となる。法人向けにガスを販売する部隊が使っているシステムの機能拡充・改善が主な業務だ。
「この頃から少しずつ、部下をもってリーダー的な立場で働くことになります」
傍から見れば順風満帆のキャリアにしか見えないA.Mだが、このあとに大きな逆境に立たされる。営業支援システムを担当しながら、並行して新規システムの開発を手がけることになったのだが、実際の構築を担う予定だったプロジェクトメンバーが突如離脱してしまったのだ。
「いや、びっくりしましたよ。でも納品のスケジュールは変わらないので、現場の担当者とやりとりを繰り返して、どうにかぎりぎり間に合わせました」
当時を振り返り、自らにも反省すべき点があったとA.Mは語る。
「進捗確認も、『どうですか?』って聞くだけじゃなくって、もう少し具体的に突っ込んで質問したり、状況を見せてもらったりすればよかったなって。それは、マネジメントをする立場になった今、すごく教訓になっています」

My Future

My Future

その後2012年から9年間にわたり、検針、料金計算、請求などを管理するシステムのリニューアルを担当。東京ガスの根幹ともいえる一大システムのリプレースプロジェクトに携わりながら、2013年には管理職に昇進する。
「マネジメントのおもしろさに目覚め始めました。このメンバーにはこういう経験をしてもらいたいな、こういうことを学んでほしいなっていうことをイメージしながら進行するように心がけていて。その結果、プロジェクト全体としても成果が上がるとやっぱりうれしいですよね」
現在は、経理、人事、調達といったバックオフィスを支えるシステムの企画、開発、運用などを手がける、30名弱のグループのグループマネージャーを務める。
今後はさらにマネジメントスキルを上げるという個人目標を掲げるだけでなく、東京ガスiネットが、デジタル技術によって東京ガス本体のビジネスを積極的にリードしていける存在となるように尽力したい――。そんな大きなビジョンを描いている。
「活躍の場は、いくらでもあります。女性が安心して働ける制度が充実しているのも我が社の魅力。私と一緒に野望を叶えたいという方、お待ちしています」